2016年11月20日(日曜)@東京 千歳烏山コミュニティカフェ「ななつのこ」
去る2016年8月24日にイタリア中部地域で発生した地震は、イタリアを愛し、イタリアを食べ、飲み、歌い笑った全ての関係者の心に深い悲しみを刻んでしまいました。
「なにかできることはないか?」、誰もがそう自問し、寄付金を募る活動をし、情報を集めながら、日々の目まぐるしい戦いの間を縫ってイタリアに想いを向ける時間を過ごしていました。
「山本さん、一緒にチャリティーイベントやりませんか?」というお誘いを愛媛にあるロカンダデルクオーレのシェフ青江さんからご連絡いただいた私は、一も二も無く「やらせてください」とお願いしました。
関東のみならず大阪、名古屋、愛媛から集まったイタリア料理のシェフは15名を超え、連日連夜のSNSを使ったミーティングはときに
2時間以上に及び(真面目に、ときに和やかに)、全員が「なにかしたい」から「なにかができる!」という期待と熱意と高揚感を増幅させていった準備期間でした。
【当日貼られていたポスター】
「アマトリチャーナDAY」と銘打たれたこのイベントは、被災した地が発祥とされるイタリア屈指のパスタ「アマトリチャーナ」を食べて日本からイタリアに義援金を送ろうというもので、パスタソースは手分けをして仕込み、当日持ち込んでライブで仕上げ、そのほかにも各シェフが料理を持ち込んで来場者にイタリアを味わってもらおうという企画を軸に進められました。
【このイベントの主役:アマトリチャーナ!!】
【めっちゃ美味しそう!!】
私はビスコッティのバザー出品はもちろんですが、それ以外にイノシシのカツレツを準備。煮込みやスープが多いイベント料理で「いやー、やっぱり揚げ物も欲しいでしょ」という、ある意味私らしいチョイスで参加することにしました(^^)
【ビスコッティもチャリティで!!】
【カツレツ準備中】
全体を統括された池田匡克氏の、大使館や各機関への密な連絡・申請とともに、イタリア在住の方からも紹介や情報更新や支援が寄せられ、料理班のみならずドリンク班、バザー班、運営班と、各セクションでもミーティングを連日重ね、たくさんのたくさんの企業さまや個人さまから協賛品が集まり、いよいよ当日を迎えたのでした。
【フィレンツェ修業時代、現地のお店の後輩だった枝澤竜太さんと約11年ぶりの再会】
前日の下準備にも多くの有志が集まり、快晴となった当日
朝8時に現地に集合したドリームチーム(と敢えて書かせてください)が、各ポジションに分かれ
10時からの本番に備え始めます。
【充実のワインラインナップ】
私の頭の中では中島みゆきさんの「地上の星」が大音量で流れ
ていたのですが(笑)、みんなの心は一つの共通した想いで結ばれていたように感じています。
「イタリアに、恩返しがしたい」
言葉にすると少しチープにもなってしまうのですが、私はイタリアからたくさんのたくさんの「恵み」をいただいています。それはもう、この身の「半身」といってもいいかもしれません。祖国・日本と同じくらい愛するイタリアで起きた自然災害。彼の地へ想いをむけながら、全員が私心なくこの日の成功に自らを捧げているように感じました。
とはいえですね、イベントは楽しいものであるべきだとも思います。「来てくれた人に、楽しんでもらおう」という、これもイタリアの心でしょうか、そんな明るく楽しい雰囲気で会場は大賑わい。用意していた料理もあっという間に完売となっていき、私は盛り付けや手薄なポジションを埋めつつ、カツレツも仕上げていきました。小さな男の子が「超美味しい!」と言ってくれたので、私はその一言で十分な活力をいただいた想いです(結局料理人は皆その一言に尽きるのだと思います)。
【アマトリチャーナの準備中】
充実した時間はあっという間に過ぎていきます。
15時半に全ての料理を出し終え、中締めのセレモニーからてきぱきとした片付け作業に入り、最後の解散式。その場で超特急に集計が行われ、この日寄せられた義援金総額は876,707円!必要な経費を差し引いても80万円以上のお金をイタリア大使館を通じて送ることができました。
【前菜盛り合わせ。これで200円って。。。すごいw】
このイベントは「来年もやろう!」と声が挙がっていますし、国内国外問わず、被災された方には継続した支援が求められると思います。「それぞれが、できることを」という姿勢で今後も臨めればよいと思っておりますし、私たちビナーシェも継続して取り組んでいきたいと気持ちを新たにしています。
来年の開催には是非お越しください。日本におけるイタリア関連のイベントでは、内容の濃さや気持ちの熱量において屈指のものだと思います(^^)
【全員集合!!また来年!?】
(了)