コラム
ビスコッティは固い?
過日の対面販売を経験したときに改めて感じたことの一つに
「(この)ビスコッティって、固くないですか?」
という「ビスコッティ=固~いクッキー」なる認識が広まっているのだなという印象がありました。
この場合の「固い」には少しネガティブな印象も含まれているようで、「固焼きで、美味しいですよね」ではなく「固くって、ちょっと気合入れないと噛めないですよね(苦笑)」というニュアンスも感じます。
発祥のイタリア・トスカーナでは「甘口ワインやコーヒーに少し浸してから食べるもの」という風習もあり、「だからこれだけ固くっても、しょうがないんだよね(そういう食べ方があるんだし、そのまま食べようとするからいけないんだよね)」といった「世間の空気」があるように思います。
でもそれっておかしい!!
と思ったのが、私がこのお菓子に興味を持ったきっかけでした。「100年を優に超す歴史のあるお菓子が、“こう食べなければいけない”という懐の狭さなわけがない!」と思ったんですね
とはいえ、たいていのビスコッティは「とっても固~い」か、「じめっとして、なんか湿気った感じ」かのどちらかでした。なんだかとても不思議な感じ。だって
「これって、人間が本能的に美味しいって感じるはず、ないのになぁ」
って思ったんですね。そこにはたぶん、「ま、でもこういうものだから」といった大きな大きな誤解と妥協が存在するように思うのです。
代々受け継がれてきた料理には美味しくないものは一つもなくて、もしそう感じることがあったらそれは作り手のせい。ビナーシェではこの考えを大切にしたいと思っています。(ということは、ビナーシェのビスコッティは固すぎるなんてことはありませんので、まだ未体験の方は是非お試し下さいませ)
美味しさにはいろいろな形がありますが、「楽しい美味しさ」をご提供できるように努力してまいります。一歩一歩の成長と新作登場を是非お楽しみに!
(店主より)
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