取材日記
イタリア研修日記【5】~「ジトっとしたお菓子」たち~
みなさんは「マカロン」はお好きですか?
私の世代(40代)が子供の頃はまったく見たこともありませんが、今では「高級なフランスのお菓子」としてだいぶ浸透しているような気がします。
もう一度訊くのですが、マカロンはお好きですか?
主材料はメレンゲとアーモンドプードル、砂糖、といたってシンプル。
しかし奥の深~いお菓子で、「間にクリームをはさむ」ことで一大革命が起きて今に至ります。
なぜお好きかどうか訊いたかというと、あの「ジトっとした」食感は、日本では他にあまり例えようがないですよね。
日本はどちらかと言えば「キレのある」甘さを追究していたように思います。
そんな「ジト系のお菓子」ですが、イタリアにももちろんたくさん存在します。
今回私が食べてきた中でも「リッチャレッリ」「ブルッティ マ ブオーニ」「アマレッティ ディ モデナ」・・などなど。
これらは昔よく食レポで使われた「甘くなくて美味しい」(←そんなわけないだろ、「甘さがちょうどよくて、美味しい」んだろ、といつもテレビに向かってツッコんでました(笑))のではなく「しっかり甘くて、美味しい」というタイプのお菓子たちです。
よく言われるのですが、和食は料理にみりんや砂糖を使う分デザートの甘さは控えめで、イタリア料理は(甘味を)使わない分、甘いものはしっかり甘くする傾向にあるようです。
またこれらのお菓子は「メレンゲ」が活躍するのですが、和食・和菓子でいわゆるメレンゲ菓子というのはあまり発達していませんよね。
あれだけ一つの素材に対して掘り下げまくって引き出しまくってありとあらゆる方面の食べ物に昇華する日本なのに、不思議ですね(お米や大豆を例にすると比べ物にならないですよね)。
これは自説ですが、「ガスの普及」が影響しているはずで、鎖国により産業の発達が欧米と異なった日本ではガスを燃料とする技術が一手遅れて、そのためオーブンやコンロなどの調理熱源の発明・導入が遅れたのだと思います。
もしオーブンが江戸時代にも入っていたら、どんな食文化が生まれていたんでしょうね。
今回の視察では、この「ジト系」の美味しさも改めて感じることができました。
バランスを間違えると「甘っ!!」と拒絶されかねないこれらのお菓子も、マカロンが広まったことを考えると、きっとまだまだ広がる土壌はあると思っています。
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